完璧主義を捨て、
「完了主義」で生きていく。
フリーランスとして、プロフェッショナルとして。私が早朝の港で学んだ、最も大切な仕事の本質。
「100%満足できるまで、世に出したくない」
かつての私は、そんな完璧主義に縛られていました。しかし、フリーランスとして活動する中で直面したある出来事が、私の思考を根底から変えてくれました。
なぜ「完了主義」がビジネスの正解なのか
ビジネスには必ず「納期」という制約が存在します。どんなに素晴らしいアートを創り上げても、期限を過ぎてしまえばその価値は半減、あるいはゼロになってしまうのが厳しい現実です。
「100%の満足」を追求するあまり、時間を際限なく消費する。納期よりも自分の納得感を優先しがち。
「終わらせること」を第一義とする。時間の制約内で最大限の成果を出し、確実に次へつなげる。
頭では理解していても、いざ現場に立つと「もっと良くしたい」というエゴが顔を出します。そんな私の甘さを打ち砕いたのは、凍えるような早朝の港でした。
早朝4時、視界が失われた瞬間
ウェブサイト制作から写真撮影まで一括で請け負った、あるプロジェクト。その核となる「商品撮影」のために、私はまだ夜も明けぬ港に立っていました。海風は肌を刺すように冷たく、街灯だけが頼りの過酷な環境です。
静寂と寒さが支配する、撮影開始直後の港。
順調に進んでいた撮影の最中、想定外の事態が私を襲いました。突如として、ファインダーを覗いていた利き目のコンタクトレンズが外れてしまったのです。
暗闇、寒さ、そして片目。慣れない視界に焦りが募ります。「このままでは納得のいく写真が撮れない」「クライアントに申し訳ない」。一瞬、思考がフリーズしました。しかし、そこで私は自分自身を強く律したのです。
それならまず終わらせることを考えろ。
ゴールから逆算しろ!」
逆境の中で、集中力は極限まで高まりました。
逆算が生んだ「本質的」な集中力
「完了させる」と腹を括った瞬間、脳が切り替わりました。今この瞬間にかけられる時間は? 使えるカットとして成立するための最低条件は? 迷いが消え、作業スピードは劇的に加速しました。
結果として、多少の時間はオーバーしたものの、必要なカットをすべて撮り終えることができました。片目が見えないというハンデがあったからこそ、「完了主義」の威力を強制的に学ぶことができたのです。
追い込まれた時こそ、「具体」を研ぎ澄ます
この経験から得た教訓は、「どう行動すべきか」を具体化する能力の重要性です。料理に例えるなら、完成図から逆算して、下準備から調理、盛り付けまでを一つひとつのタスクに分解していく力。これが、どんな仕事にも通じる「完了主義」の正体です。
思考を具体化し、抽象との間を行き来する力を養うために、私は以下の書籍を強くおすすめします。
- 『13歳から鍛える具体と抽象』(初心者・入門編として)
- 『具体と抽象』(さらに思考を深めたい方へ)
